福岡市漁港 プレジャーボート不法係留問題で有識者会議

2025/09/12 (金) 16:30

福岡市漁業協同組合が市の許可を得ずに一般のプレジャーボートなどを漁港に係留させ、不当に利益を得ていた問題で、福岡市は12日専門家を交えた会議を開き今後に向けた対策などを話し合いました。

福岡市内で開かれた第1回有識者会議には大学教授や弁護士などの専門家が参加し不法係留の原因の検証や再発防止策について、協議が行われました。

有識者会議 来生新会長
「原因が何だったかということについて検証することが大事。過去にさかのぼっての検証で難しい点はあるができる範囲でやります」

この問題は、福岡市が所有・管理する漁港で福岡市漁協が許可を得ずに小型船舶の係留スペースを貸し出し、不当な利益を得ていたもので徴収した利用料は年間数千万円規模ということです。市もこの状況を把握した上で長年、放置していました。会議では不法係留されている約350隻のプレジャーボートを適切に管理できる条例の整備が必要という意見が出されました。

「条例をつくって対応することが基本。福岡市の既存の施設を漁港を使って条例で管理していきます」

この問題を巡り福岡市漁協は「かつては細かいルールが設定されていなかったこともあり条例違反とは知らず有料で貸し出していた」とした一方、市の担当課は「これまで見直しができていなかったことは市の責任であり重く受け止めている。早期の適正化に向けて進めていく」としています。高島市長も先日の会見で慎重に対応していく考えを明かしています。

福岡市 高島宗一郎市長
「そもそも料金をとってもいけないしとめさせてもいけません。これが福岡市の決まり。今すぐに追い出しても別の場所での不法係留につながります」

国や県とも協議を進め、年内には結論を出す方針です。問題の背景には何があるのでしょうか?船の行政手続きなどを請け負う専門家に話を聞きました。

海事代理士 吉岡謙二さん
「プレジャーボートの保管場所がまだ十分い整備されていないことから今回の問題が出てきたと思います」

市が所有・管理する8つの漁港のうち漁船以外の係留を認めているのは西区の浜崎今津漁港の1カ所のみ。ただこの漁港にもすでに多くのボートが係留されていて市内には十分な係留場所がないのが現状です。また、問題発覚以降豊前市の宇島漁港など県内複数の漁港で不法係留が確認されました。専門家は車でいう「車庫証明」が船舶にはなく係留スペースがないまま購入できるシステムを問題点に挙げました。

「実は小型船舶の登録には保管場所の証明は求められていない。船の検査が通れば登録される。プレジャーボートの増加に対して1に漁港を開放しようとしていますが、、当然それだけでは足りないのも今回の問題の背景です」

ある漁業関係者はテレQの取材に対し「漁協が係留できる船舶数を管理してきたことで秩序が保たれた」とした上で「最も避けてほしいのはプレジャーボートがあふれかえり漁業に影響が出る事態」と話しました。有識者会議では、こうした現状についてどのような議論となるのか注目されます。

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