おでんなどの練り物の価格高騰 意外な理由は

2026/10/21 (水) 17:00

10月も後半になり、朝晩は肌寒くなってきました。そんなとき食べたくなる物の一つが おでんではないでしょうか。食品価格が上がる中、おでんもある理由で値上がりしているようなんです。おでんならではの値上がりの理由を取材しました。

岳田秀昭記者
「これからおでんの季節です。そのおでん、ピンチを迎えています」

北九州市の旦過市場で40年以上おでんを販売しているこちらの店。店先には、直径80センチの大鍋に15種類以上のおでんの具が入れられています。旦過市場の人気店ですが実は店主、頭を抱えています。

旦過うどん 水上桂子さん
「食材の値上げ。もうほんとに頭痛いです。2割ぐらい上がったんじゃないか」

おでんの具の仕入れ値が上昇。特にかまぼこやちくわといった練り物の値上がり幅は大きいといいます。

旦過うどん 水上桂子さん
Q.ごぼ天いくらで売ってる
「200円です」
Q.いくらぐらいあげないとダメ。
「20円アップでギリギリ(吸収できる)かなと思う」

練り製品の主な原料は、アラスカ周辺で取れるスケトウダラです。かまぼこなどに使うスケトウダラのすり身。ここ数年値上がりを続けています。卸価格は3年前の約1.5倍です。業界団体の幹部は。

日本かまぼこ協会 松本洋一専務理事
「漁獲枠は例年通りあるんですけれども、魚がちょっと小さいこともあって思ったようにスケトウダラのすり身ができない」

スケトウダラに手を出しにくい理由は、円安によって輸入価格が上がっていることなども挙げられます。

「昨今、上下には振れているんですけども、やはり円が弱いっていうことで、こういったことで買い負け状態になっているということですね」

また、スケトウダラが他の国でも多く食べられていることなども、日本に入って来にくくなった理由に挙げられるといいます。

「ヨーロッパでスケトウダラのフィレ(切り身)の需要が高いので、すり身を作るより、その切り身を作った方が儲かる(ので品薄)」

外国での需要が高まり、スケトウダラの仕入れ値が上がって、かまぼこメーカーも対応に追われています。こちらの企業は、北九州市で140年以上練り物の製造販売を行っています。

山吹 凪晋孝社長
Q.こちらは何
「これは冷凍のスケトウダラのすり身です。これは1枚が大体10キロありまして、冷凍の状態でうちに届きます」

現在は、1枚7000円から8000円ぐらいという仕入れ値。どれぐらい値上がりしたのでしょうか。

「2、3年前からいくと1.5倍以上です。物によっては2倍2.5倍という形になっています」

練り物は、原料のすり身に砂糖や塩、デンプンなどを混ぜ、石臼で練り上げられます。時間は掛かりますが、石臼を使うとすり身に熱が伝わりにくく、魚のうまみを逃がさずに弾力がある練り物になるそうです。ただ、問題はコスト。上がっているのは、材料費だけではありません。

「人件費高、輸送コストが上がっているっていうことで、物の値段、例えば調味料ですとか包装資材ですとか具材、その他もろもろ全ての物が値上がりしています」

商品の製造コストが上がる中、価格を維持しようとスケトウダラだけにこだわらず、他の魚も試してみたいと言います。

「例えばスケソウダラ以外にはイトヨリダイですとか、その他外国製のすり身とかを使用しながら、レベルを一定にできるように保っていこうと思っています。最終的には価格転嫁できればいいんでしょうけれども、やはりなかなか追いつかない部分がありますので、なんとか業界一丸となってこの危機は乗り越えていきたい」

一方、かまぼこ業界ではイトヨリダイ以外の原料も検討されているそうです。

日本かまぼこ協会 松本洋一専務理事
「今候補としてちょっと上がっているのは、ベトナムでパンガシウスっていうナマズの種類の魚がいるんですけども、そのすり身は使えるかどうかっていうことを含めて、今いろいろな業者さんがテストをしているという状況にはなっています」

かば焼きにするウナギの代替品としても使われる食用ナマズ「パンガシウス」。用途は幅広く、その可能性に期待が高まっています。庶民の食べ物として、なじみ深いかまぼこなどの練り製品。気軽に食べられる食材であり続けるための試みが続いています。

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