【午前4時の攻防】福岡県議会 金銭授受疑惑など調べる百条委員会設置決定の舞台裏

2026/10/19 (月) 17:00

記者
「異例の展開となった福岡県議会。このように日が暮れた今も議会は再開されていません」

未明まで及んだ激しい攻防。その火種となったのが金銭授受疑惑や高額な海外活動について、議員が主体となって調べる「百条委員会」の設置を求める議案の行方です。議案をこの日に採決するのか?「継続審査」とするのかが焦点となりました。
          
吉松源昭県議
「継続審議にした場合、次の採決はいつやるのか。臨時議会をしない限り、(12月定例会初日の)12月1日。つまり、継続審議とはイコール廃案です」

議案を提出した吉松県議らは、委員会での審議を省略し本会議で直接、採決するよう訴えました。仮に通常のプロセスで委員会に付託し「継続審査」となれば2027年春の県議選を前に調査を終えられないとしたのです。予定より大幅に遅れ、午後4時ごろ開会した本会議。議長が、百条委の議案について「委員会に付託する」 と伝えたその時。

「動議!動議いたします」

吉松県議が「動議」を発動。

「一刻も早い成立が望まれることから委員会への付託を省略し、ただちに本会議において採決されることを求めます」

この動議により議会は中断。議会運営委員会で協議され「動議」に賛成するか反対するかの採決がとられることになりました。日が落ちた午後7時半ごろ、議会は再開。

動議に反対 自民党県議団 渡辺勝将会長
「百条委員会による調査は否定しません。真実の解明を進めることと審議を尽くすことは決して相反するものではありません。まずは議会運営委員会で議論を尽くし、その上で本会議として判断するべきです」

動議に賛成 福地幸子県議
「今回問われているのは、議会に関わる問題について議会が自浄作用を発揮し、自ら調査に踏み出すかどうか。会派の枠を超え、議員一人一人が県民に対する責任において判断すべき案件です」

福岡県議会 大島道人議長
「直ちに採決を行うことに、賛成の議員はご起立願う」

主要会派のほとんどの議員が反対に回り吉松県議の動議は否決。議案の取り扱いは議会運営委員会に委ねられることになりました。委員会では、「継続審査」か「即日採決」かが協議され百条委での証言者のプライバシー保護のあり方などを巡り、激しい押し問答が続きます。

議案提出者 神崎聡県議
「県民のみならず、全国が注目してるんです。委員会を軽視するわけではない。議会全体の問題なんです」
自民党県議団 江頭祥一県議
「80人を超える県議会議員で審議しなければならない。やっぱり時間がかかります。きょう、やらないといけないという県民の思いを背負った提案者の気持ちも分かります。時間をかけて大切に審議するのも検討してほしいです」

3時間に及ぶ協議の末、委員会が出した結論は「継続審査」でした。その後、各会派の調整などをへて本会議が開かれたのは午前4時前。

福岡県議会 大島道人議長
「継続審査とすることに賛成の議員はご起立願います」

賛成少数で否決。委員会での決定が本会議で覆される異例の事態となりました。継続審査が否決されたことで、即座に百条委を設置するか否かの採決がとられることに。すると、ほとんどの議員が賛成。県議会史上初となる百条委員会の設置が決まりました。

自民党県議団 渡辺勝将会長
「(議案の)内容が精査されていないという議論はあるが百条委員会の設置には否定的ではなく、百条委員会の議論までいけば賛成しようと思っていました」
議案提出者 吉松源昭県議
「驚きました。全く予想していませんでした。県民の声に議員一人一人が応えなくてはいけないという思いを持った結果だと思います」

一方、金銭授受疑惑を巡り金銭を受け取ったと名指しされている3人のうち松尾県議と原口県議は百条委員会設置に反対。松本県議は採決の際、退席しました。

松本国寛県議
「百条委員会の設置に反対するワケではありません。速やかに11月上旬にでも臨時議会を開いて可決したいという思いで退席しました」
松尾統章県議
「百条委員会ではっきりと結論が出て、それが県民に納得してもらえるのであれば全然良いです」

県議会では今後15人の委員を選定し、速やかに調査を始める見通しです。

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