姿を消す町の銭湯 厳しい現状に追い打ちをかける町の銭湯ならではの事情 レトロブームで光も

2026/10/13 (火) 17:00

10月10日、この日は銭湯の日。

福岡市中央区西公園の目と鼻の先にある町の銭湯です。

1932年創業の西公園浴場には、大人たちが日々の疲れを癒やしに集います。

客
「仕事して来ました。気持ちいいです。最高に気持ちいいです」
「親子になります。たまに息子と『風呂今日行こうか』みたいな。来てのんびりリラックスしてっていうのが良いかなと」

入浴料は大人で550円とお手頃。スーパー銭湯などとは異なり、日常生活の保健衛生に必要なものとして法律で「一般公衆浴場」と位置付けられています。

客
「毎日、ほとんど来ている」
「だから風呂友ができている。ここで。みんな風呂友だよね」
「なくてはならない。ここがなくなったら私たちは生きておれん」

地元のコミュニティーにもなっている銭湯ですが。

客
「この辺りは(銭湯が)ここしか残っていないので」
「減りましたね。銭湯の数って減りましたね」
「ここ1軒しかない」

西公園浴場 店主・末益善弘さん
「歩いて行ける距離に昔はどこでもありましたけどね。大概ね。今は地下鉄やタクシーで来る方とかね」

この店を経営する末益善弘さんも、町の銭湯の衰退を感じています。

近年こうした銭湯は激減。ピーク時は全国に1万7999軒あったのに対し、2026年4月時点では1493軒。10分の1以下にまで減っています。

原因について専門家は。

東京商工リサーチ情報部 後藤賢治 課長
「昔と比べてご自宅にお風呂がないというご家庭がだいぶ少なくなってきている。高齢者が利用頻度が高いというデータも聞かれるので、利用者が減ってしまって」

また、スーパー銭湯との違いも大きいと言います。

東京商工リサーチ情報部 後藤賢治 課長
「食事など新しいニーズを取り込んだサービスを提供しているスーパー銭湯も多くあって。特に若い方は一般的な銭湯ではなくてスーパー銭湯のほうに行かれることが多いのではないかと」

他にも銭湯の経営を圧迫していることが。

西公園浴場 店主・末益善弘さん
「ボイラーですね。お湯を上に入れて下から重油のバーナーで温めている。ずいぶん高い。値段上がっていますよ。前に比べたら4割、5割くらい高くなっている」

中東情勢の影響もあり、近年重油価格が高騰。2026年4月には過去20年で最高値を記録しています。

さらに追い打ちをかけているのが一般公衆浴場という位置付けです。

Q.お風呂の値段は上げられないんですか?
西公園浴場 店主・末益善弘さん
「お風呂の値段は県知事の指定料金なので。自分勝手に上げるわけにはいかないですよね」

一般公衆浴場の入浴料は各都道府県で上限が決まっていて、それぞれの銭湯は自由に決められません。

また。

西公園浴場 店主・末益善弘さん
「(周りで)廃業になった方は高齢で後継ぎがいないとか、設備の面で更新するのにすごいお金かかるので続けられないとかね」

県内の銭湯経営者の多くが70代以上。廃業を選ぶ銭湯が後を絶ちません。

一方で。

Q.こういう銭湯にはよく来る?
若者客
「好きですね。銭湯っぽいのが楽しいというか。雰囲気が良いですね」
「中に入ったら雰囲気が違うので、昔ながらって感じが」
「本当にレトロな感じが良いですよね」

実は今、若者や外国人の間で昭和レトロ人気が広がっています。15歳から24歳の7割がレトロなデザインやライフスタイルに関心を持っているというデータも。

全国の銭湯の中には、若い世代が店を継いで昔ながらの雰囲気を残しつつ過ごしやすい店内に改装したり、グッズを販売したりしてV字回復を遂げた例もあります。

韓国の旅行客
「福岡に旅行に来るたびに銭湯に来ている。韓国も日本もレトロな物が流行しているのは同じだと思う」
若者客
「のれんをくぐってお風呂に入るっていうのが風情ありますよね。続いてくれたら僕は入り続けようと思います」

なくなりつつある町の銭湯。時代の変化に合わせた生き残りに期待をかけています。

西公園浴場 店主・末益善弘さん
「ありがたいことですよね。やっぱり若い方が来てくださらないと。なるべく続けていきたいと思っています」

この記事をシェア

最新のニュース

  • テレQ|テレQ ニュースPLUS
  • テレQ投稿BOX
  • アナウンサーズ公式Xはこちら
  • テレビ東京|[WBS]ワールドビジネスサテライト
  • テレビ東京|Newsモーニングサテライト
  • テレビ東京|モーサテサタデー
  • テレビ東京|昼サテ
  • テレビ東京|ゆうがたサテライト