【LBS】せっけんの100年企業 どこでも髪が洗える新製品

2025/07/04 (金) 16:30[2025/07/04 (金) 18:34 更新]

大阪市内で開かれた、福祉イベント。ここで、ひときわ注目されていたのが。

担当者
「家電なんですけど、『服を着たまま頭が洗える』」

「へー、すごいですね」

8月に発売を控えた、ポータブル洗髪デバイス「ススグ」。新開発の“泡立たない”ミストシャンプーと電動のミストブラシのセットです。使い方は…まず頭皮にミストシャンプーを吹き付け、汚れを浮かせます。次に霧状の水が出るブラシで髪の毛をとき、最後に、水と馴染んだ皮脂や汚れをタオルで拭き取るだけ。手間が少ないうえに、使う水はコップ1杯分。だから浴室の外でも、服を脱がずにシャンプーができます。しっかり汚れが落とせてこの小ささは、例がなかったといいます。

これを開発したのは「牛乳石鹸」。あの「赤箱」の固形石鹸でおなじみ、1909年創業の老舗です。会社の売り上げは、赤箱の石鹸が「肌にやさしい」などと若者の間で評判が広がり、着実に伸びています。ただ。

牛乳石鹸共進社 宮崎信也取締役
「牛乳石鹸の名前は広く知られるが、『じゃあ、これからは?』となると、少子化などで先がないような気がします」

そこで2021年に、「ススグ」の開発をスタート。狙いを定めたのはシャンプーに悩む人たちでした。大学生の中井けんとさん。脳性マヒの影響で、手先の力の調節が難しく、毎日のシャンプーを負担に感じていたそうです。

大学生 中井けんとさん
「シャンプーって力がかかって、爪で引っ掻いちゃったりします。普段、ちょっと労力がかかるなと思いながらお風呂に入ってます」

他にも、高齢化が進むなか、入浴介助を必要とするケースが多い「要介護3」以上の人が増加。介護人材不足のなか、大きなニーズが見込めます。この日は、ユーザーが使ってみて不備がないか、発売前の最終テスト。初めて使う中井さんは。

「あー、サラサラになった気がします。驚きだったのが、工程が少なかったので、これで普段の難しい髪洗いが終わるんだっていうのが良かったです」

新規事業室 江越亮一室長
「(悩みが)深刻な方は、その課題の先進者・パイオニアだと思います。そこで困る方に解決策を届けれるなら、他の方にも届けられます」

8月のオンライン販売を皮切りに、介護施設などへの売り込みも進め、5年後に1万台の販売を目指します。

日本経済新聞社 下田恵太記者
「ターゲット層を絞ることで介護・福祉施設などに対し、効率的に商品を宣伝できるので、マス層に向けた商品よりも、少ないマーケティング・広告費用で売上を伸ばせる。さらに、今後市場が拡大した際に、有利な位置を占めることも見込める」

牛乳石鹸共進社 宮崎信也取締役
「『洗う』の常識を変えたいです。新しいインフラになりたいです」

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