北九州市が夏休みの学童保育に弁当配達サービスを開始

2025/08/18 (月) 16:30

この夏休み、放課後児童クラブに通う子どもの弁当を簡単に注文できるサービスを、北九州市が市内の広い地域で始めました。そこで見えてきた課題とは。

夏休み。子どもを放課後児童クラブに預ける家庭が多い時期です。北九州市の場合、全体で児童の数が減っているのに対し、預ける児童の数は増えています。両親の共働きが増えているほか、自分の時間を持ちたいという親が増えているためと見られています。そこで、北九州市が行ったのが、1食約500円の弁当配達サービス。これまで弁当作りに充てていた朝の時間を家庭でのコミュニケーションに使ってもらおうという狙い。

北九州市武内和久市長
「保護者の皆様には安心して利用いただき、朝の貴重な時間を子どもと向き合う時間にしていただきたいと願っています」

小倉北区の放課後児童クラブ。平日は280人が利用していますが、夏休みは約100人が来館しています。そして、昼ご飯。

児童
「いただきます」

児童たちの昼ご飯は弁当。家から手作り弁当を持ってくる児童は8割ほどです。一方、パックに入った弁当を食べる児童もいます。これが北九州市が児童クラブで提供するクラブ弁当、通称「クラ弁」です。2024年から小倉北区や八幡西区など市内の一部で提供されていましたが、この夏休みから市内全域129のすべての放課後児童クラブで利用できるようになりました。

男子児童
Q.弁当どうだった
「おいしかった」
Q.何がおいしかった
「エビフライがおいしかった」

女子児童
Q.クラ弁のいいところは
おかずが多くて、おかずがおいしい(ところ)」

男子児童
「母が朝、バタバタしているのを見て、『クラ弁』のない日より『クラ弁』があったほうがいいと思う」

利用方法はまず放課後児童クラブのLINEに登録。スマホ画面から利用したい日付と好きなお弁当を選んで前日までに注文します。親たちにとって、子どもの弁当作りは、やはり負担のようです。

市民
「働いていると朝、バタバタしているので、500円払ってでも弁当があるとありがたい」
「毎日毎日弁当を作るというのは、現実的に難しいというのと大変というので、お金が掛かったとしても自分の負担を軽減させたいというのが正直なところ」

家庭の助けという位置付けの「クラ弁」。作っている市内の弁当業者を訪ねました。この日は、わかめご飯に、肉とオクラの大葉巻き、カボチャのサラダなど野菜中心のメニューで500円です。

丸ふじ 後藤慶子専務
「家で手の込んだ弁当は作りづらいので、ちょっと手間をかけて作っている」

「クラ弁」の中身は、子どもたちが、楽しくそして体にいいものを食べてもらうよう工夫。日替わりで提供しています。一方で、この会社では、市内5つの区の40の放課後児童クラブに配達していますが、1日の注文は、100個ほど。広いエリアで配達するのは人手不足もあり、負担が大きいと言います。

丸ふじ 後藤慶子専務
「配送の方もやっぱり1人でも注文いただいたら配達しないといけないと。現実はそうなんですけど、それでやっぱ厳しいなっていうのは、ちょっと声が上がっています」

他の自治体ではどうなのか。2023年から「クラ弁」を実施している大野城市。市内10の施設を1つの弁当業者が配達していますが、エリアが狭いため、問題は出ていないということです。一方、2024年から実施している飯塚市。19の施設を1つの弁当業者が配達していましたが、広範囲だったこともあり撤退。春休みは利用できず、別の弁当業者がこの夏休みから請け負っています。事業者への負担の大きさは、弁当提供の課題といえます。

北九州市こども若者成育課 北崎賢課長
「弁当事業者からすると、注文が1つでも配達しなくちゃいけないというところがありますので、そこら辺については今後われわれも課題として弁当事業者としっかりお話をしながらより良い方向にしていきたいというふうに考えている」

子どもたちの食を守る新たな取り組み。負担の緩和は、今後の課題といえます。

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