8月になぜ“梅雨末期”の大雨?専門家「秋まで警戒必要」

2025/08/14 (木) 16:30

先週から九州で降った大雨についてです。なぜ梅雨末期の現象がこの8月に起きたのか。そのメカニズムや今後の警戒点を専門家に聞きました。

気象学が専門の九州大学川村隆一教授です。

木戸優雅アナウンサー
Q.気象台に取材すると8月9日から10日までの24時間以内に線状降水帯が6回発生していて、こんな短時間に6回発生したのは初めてということですが、なぜこの8月に梅雨末期のような現象が起きたんでしょうか?
九州大学 川村隆一教授
「ちょうど梅雨末期のような気圧配置になっていたことが要因」

梅雨末期のような気圧配置とは太平洋高気圧が日本の南側で張り出し、九州付近に停滞した前線に向かって大量の湿った空気が流れ込んでくること。これが大雨をもたらしました。

さらに、もう1つ大雨の要因が。

川村隆一教授
「海水温が九州近海で3℃くらい上昇していた」

2023年7月10日に線状降水帯が発生した際の九州近海の海面水温は26℃から27℃でしたが、今月9日に線状降水帯が発生した際は29℃以上と約3℃高くなり、これが降水量のさらなる増加につながったと言います。

では、今後も大雨になる可能性はあるのでしょうか?気象予報士の梶屋さんは。

気象予報士 梶屋綾さん
「これからの時期注意してほしいのが台風です。9月は年間を通して台風の上陸数が最も多く、海面水温も最も高くなります。また台風からの湿った空気が秋雨前線を刺激し、大雨になることもあります」

これが現実となったのが2024年9月の能登半島豪雨。海面水温が上昇している
能登半島近海に台風が近づき線状降水帯が発生。17人が亡くなる被害が出ました。

この時、石川県近海の海面水温は平年より5℃高かったことが分かっています。

川村隆一教授
「そういう状況が何日も続く状態を『海洋熱波』と呼ぶ」

川村教授らの研究によりますと、海洋熱波がもたらした雨が能登半島豪雨の総雨量の4割を占めたということです。

今後は九州でも同様の大雨が降る可能性を指摘します。

川村隆一教授
「(九州でも)海洋熱波も頻発しているし、特に夏から秋にかけて台風絡みの豪雨はこれからどんどん注意していかないといけない」

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