福岡でも「暑さ手当」導入などの動き 真夏に外で働く人を守る!

2025/08/20 (水) 16:30[2025/08/20 (水) 18:21 更新]

外にいるだけでも危険な近年の猛暑。日中外で働く人たちは適切な健康管理をしないと命に関わります。こちらは北九州市若松区で倉庫を建設している現場です。案内されたのは自動販売機。何の変哲もないようですが。

大高建設 安全部 山田昇さん
「熱中症対策用の自販機です。スポーツドリンクなどを50円で販売しています」

作業員が手軽に水分を補給できるよう1本50円で買えます。本来の価格との差額は会社が負担しています。建設現場で働く人は、どんなに暑くてもヘルメットや作業着を身に着けなければなりません。厚生労働省によりますと、2024年に全国で職場での熱中症で亡くなった31人のうち建設業は最多の10人でした。こちらでは熱中症対策として1時間に1度、室内で休憩を取ることにしているほか、ファンがついた作業着を支給しています。

山田昇さん
「危険な現場なので、熱中症で意識が弱まった状態のまま作業すると転落したり、つまづいて体をぶつけることでけがにつながります。熱中症をなくすということを主眼として、計画的に作業ができる環境作りをします」

50円の自販機は3年前から現場に設置。これまでは7月と8月だけでしたが、今年は早い時期から暑くなったため6月から9月までに設置期間を延ばします。

一方、春日市の自動車販売店。整備工場にはスポットクーラーや扇風機が置いてあるものの、いわば「半屋外」で厳しい暑さ。整備士の背中には大量の汗が見えます。こちらの暑さ対策は。

福岡トヨペット人事部 大塚成二さん
「空調を設備していない店舗では暑さ手当をエンジニアと炎天下で働く洗車員に支給することで対応しています」

6月から9月の間、毎月3万円を暑さ手当として支給しています。

大塚さん
「エンジニア(自動車整備士)は長袖の作業着で、酷暑の中作業しています。作業場所以外で会社が用意できるものはないかということで対応しています」

働く人に聞いてみると。

洗車スタッフ
「ものすごくありがたいです。スポーツドリンク、お茶、塩分タブレット、体調に合わせて栄養ドリンクを買ったりできるので」

職場の熱中症対策が義務化されたこともあり、取り組みは全国各地で広がっています。物流や建設などに特化した求人サービスを扱うクロスマイルによりますと、1カ月前に比べ求人全体の数は1.1倍に、そのうち暑さ手当のような制度がある求人は2.1倍に増えたということです。

クロスマイル 熊丸一輝さん
「どうしても人手不足というのが大前提としてありますので、1つでも多い企業が(熱中症)対策していただければ未経験の方とかが始めていけるような業種になるのかなと思います」

厳しくなるばかりの暑さ、そして人手不足。働く人を暑さから守る企業の工夫はますます広がりそうです。

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