海の中道大橋飲酒事故から19年 遺族が初めて講演 訴えたのは「命の大切さ」

2025/07/11 (金) 16:30

海の中道大橋飲酒事故の遺族 大上かおりさん
「海の中道大橋でむごい死を迎えなければいけなかった。その原因が飲酒運転なんです」

福岡市の高校で「飲酒運転撲滅」を訴えた大上かおりさん。19年前の海の中道大橋の事故で3人の子どもを亡くした母親です。2006年、福岡市東区の海の中道大橋で飲酒運転をしていた当時福岡市職員だった男の車が前を走っていた家族5人が乗る車に追突。車は海に転落し幼いきょうだい3人の命が奪われました。この事故は飲酒運転撲滅に対する社会の機運を高めるきっかけとなり、事故の翌年には改正道路交通法が施行。飲酒運転は厳罰化されました。そして事故以降、警察などが「飲酒運転ゼロ」への活動に力を入れていますがその実現にはほど遠く。福岡県内における飲酒運転の検挙数は増加が続き、2024年は過去10年で最多の1828件。さらに、近年減少していた飲酒運転の事故も2024年、6年ぶりに増加に転じました。子どもを失った痛ましい事故から19年。母親の大上さんが講演するのは初めてのことです。

「どうして自分だけ助かったのか。罪悪感の中、19年間生かされている意味を問い続けてきました」

初めての場所に学校を選んだのにもワケがあります。

「(海の中道の飲酒事故を)知らない年代の人たちが増えてきたのかなと思いました」

危惧しているのは「記憶の風化」。街の若い世代に事故を知っているか話を聞くと。

街の人(20代)
「知らないです」
街の人(10代)
「知らないです。生まれが2009年か2010年なので、(事故当時)まだ生まれていないです」

福岡県警によるアンケートで海の中道大橋の事故を知らないと答えた人は、20代で3割。さらに10代では半数にのぼりました。あの事故を知らない世代が増えていく中、11日の講演で大上さんが強く訴えたのは「命の大切さ」でした。

海の中道大橋飲酒事故の遺族 大上かおりさん
「生きていく喜びや希望が奪われてはいけません。皆さんは自分の意思で飲酒運転をしないことを選べる大人になってほしいと思います」

生徒
「辛い思いと飲酒運転がなくなってほしい思いでいっぱいになりました。自分の周りにもしっかり伝えていきたいです」

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