【道路陥没】福岡県内で相次いだ要因は? 新技術も登場

2025/07/16 (水) 16:30

小柴公人記者(6月10日)
「普段人通りの多い中央区の今泉です。道路に大きな穴が空き完全に陥没しています」

6月10日、福岡市中央区今泉の国体道路に突如として空いた大きな穴。けが人はいませんでしたが人や車が多く行き交うエリアということもあり注目を浴びました。そして、そのわずか2週間後。今度は、福岡市早良区飯倉の国道が陥没。その1週間後には北九州市で県道が陥没。また、その4日後には福岡市中央区渡辺通りが陥没しました。県内ではこの1カ月ほどの間に少なくとも4件の陥没事故が発生しています。陥没を引き起こす要因として挙げられるのが道路の下を通る「下水道管」の破損です。水道インフラに詳しい専門家に下水道管と道路陥没の関係を聞いてみました。

九州大学大学院 広城吉成准教授
「土砂が入ってきて、(地中に)空洞ができて大きな陥没が起きます」

下水道管が破損すると、そこから土砂が流れ込みます。そうすると土砂が元々あった場所が空洞に。そして、空洞が道路の重さに耐えられなくなったときに陥没が発生します。では、下水道管は何が要因で破損するのでしょうか。

「工事で不手際、施工不良がある場合です」

6月10日の中央区今泉の陥没について福岡市は下水道の一種である「雨水管」の工事の際のトラブルでできた隙間から土砂が流入し陥没につながったと発表しました。そして陥没を引き起こすもうひとつの要因は。

「老朽化です。なかなか更新がうまくいっていないです」

今から60年ほど前の高度経済成長期に広く整備された下水道管。耐用年数50年とも言われる中、更新はうまく進んでいません。道路陥没で思い起こされる2025年1月の埼玉県八潮市で大規模事故。この事故も、下水道管が老朽化で破損したことが   原因とみられています。下水道管の更新が進まない背景は。

「少子高齢化・人口減少していて(下水道使用料による収入は)右肩上がりではない中で施設だけが老朽化しています。下水道料金を上げるのにも理解が得にくい中で(更新)工事が後手に回っています」

インフラ整備が喫緊の課題となる中、新たな技術で解決を試みようという動きもあります。大野城市にある自動車学校。ここでは、車の免許だけでなく2017年からはドローンの操縦資格を取得するための教習も実施しています。この日見せてもらったのはこの春始めたという新たな講習。それが。

南福岡自動車学校 森京介さん
「小型のドローンを活用した狭小空間点検です」

下水道点検などの狭い空間での操縦を想定した講習です。机などでつくったコースにドローンを飛ばし狭い空間での細やかな操作を体験できます。始めたきっかけは。

「埼玉・八潮の道路陥没事故です。小型ドローンを活用しトラックの一部を見つけられました。ドローンの可能性を見つけられました」

下水道管は狭く、有害なガスが発生することもあるため点検は容易ではありません。そんな中、作業員の危険がないドローンを使った点検は近年脚光を浴びているのです。

「人的コストや物的コストを削減する役割に今後ドローンは使えます」

専門家はドローンなどの最新技術についてこう指摘します。

九州大学大学院 広城吉成准教授
「ドローン・AI解析などの民間のノウハウを利用しながら(事故が)起きるのを事前に察知する調査を官民連携で対応していくしかないです」

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