「孤食」を防ぐ 高齢者が集う小郡市のシニア食堂

2026/06/02 (火) 16:30

一人暮らしのシニアたちに普段どのように食事をしているか聞いてみると。

88歳男性
「だいたいほとんど自分一人で食べてます」
68歳女性
「食べに行くにしても娘と何カ月かに1回」
「以外は家で食べる。一人で」
73歳男性
「お米だけは自分で炊いて、おかずはスーパーで全部買って」

2023年の厚生労働省の調査によりますと、家庭で誰かと食事を取ることが「ほとんどない」と答えた人は、全ての年代と比較しても70歳以上が最も多くなっています。こうした一人きりでの食事は孤食と言われ、配偶者との死別や子どもの独り立ちで一人暮らしになった高齢者に多く見られます。孤食の問題点について専門家は。

名古屋学芸大学講師 宇野千晴さん
「自分一人だと、簡単な物でいいや、食欲がわかないといったような理由から、簡単な食事になりやすい。そういったことから、噛む力が減ったり、飲み込む力が弱くなったり、孤食が続くと生きがいの低下を感じやすくなったりする」

小郡市の団地で一人暮らしをしている阿部藍子さん、82歳。

記者:どのくらいから一人暮らし?
阿部藍子さん
「65の時かな。主人亡くなりましたので。体操クラブも行ってました。これは去年の暮れに辞めたのかな。周りが若い人ばっかしになったから、もう辞めますって言って」

この日の阿部さんの昼食は。

「イオンで買ってきました。料理がね、苦手なんです。好き嫌いがたくさんある」
記者:嫌いな物は?
「本当は野菜はあんまり好きじゃないんです。まずネギがだめ。みじん切りだって箸でつまんで出します」

阿部さんが月に一度通うある集まりがあります。団地近くの一軒家に周辺に住む高齢者が集まっていました。一緒に昼食を食べながら会話を楽しむ「シニア食堂」です。

主催者で、この家に住む立石喜美子さんです。知り合いが入院したことをきっかけにこの食堂を始めました。

立石喜美子さん
「(知り合いが)入院した時に、貧血だって言われたっていうことで、そういえば自分たちは昼間は簡単にそうめんとかおにぎりとかで終わらすことが多いもんねって。みんなで食べたら楽しいかなって思ってたんですずっと」

また立石さんは、4年ほど前まで民生委員として地域の高齢者の家を回って困り事の手助けや見守りをしていました。その中で、周囲との交流を避けて孤立する人の姿を目の当たりにしたと言います。

「もう人とそんなに接したくないからとか、みんなのところには行きたくないとおっしゃる方も結構いらっしゃいました」

そこで立石さんは高齢者が誰かと一緒にご飯を食べられる場をつくろうと、小郡市の補助金を受け、3年前に活動を始めました。

そしてこの日完成した料理がこちら。これを500円で提供します。メニューは元栄養士でもある立石さんが栄養バランスを考えて決めます。

「お年寄りなので、とにかくタンパク質をしっかり取りたいのと、たくさんの野菜を使うように」

「いただきまーす」

72歳から90歳までの9人で食事を共にしました。阿部さんと同じ80代の人もいます。メニューの味の事から近所のうわさ話まで会話は広がります。

阿部藍子さん
「おいしい。私野菜が嫌いだからね、中々食べてないけど、こんなカレーとか作ってもらったら嬉しい」

ウクレレの演奏に合わせてみんなで歌も歌いました。

「楽しかったです。ふるさとに帰ったようなそんな気持ちになる。同級生に会ってるのかなと」

こうした高齢者たちの居場所がもっと気軽に立ち寄れるものになってほしいと立石さんは話します。

立石喜美子さん
「今コミュニティセンターとかでは色々カフェとかやってますけれども、やっぱり遠い所の方は行けない。みんなが集まる場所に行くようになったらいい。その一つにこういうところに来て、皆さんとお話しするというのもあると思う」

シニア食堂のようなつながりをつくる場は、高齢者の孤立をなくしていく方法として今後、注目されそうです。

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