九州北部豪雨から9年 被災地の今は

2026/07/03 (金) 16:30

多くの犠牲者を出した九州北部豪雨からまもなく9年。復旧が進む一方で、ふるさとの形がすっかり変わってしまった地域もあります。被災地の今を取材しました。

線状降水帯の発生による記録的な豪雨で、朝倉市などを流れる筑後川水系の赤谷川が氾濫。堤防は決壊し、土石流による大量の流木が甚大な被害をもたらしました。

記者
「朝倉市の古賀地区です。土石流のあった影響であちらに見える集落が完全に孤立していあす。そして男性1人が行方不明になっているという情報もあり警察による捜索が行われています」

福岡県と大分県を合わせて死者・行方不明者は42人。被害額は2200億円以上に上りました。9年の時を経た被災地では。

記者
「かつて100人以上が暮らしていた旧小河内地区。現在はあちらの二世帯だけ。北部豪雨の後、こちらの砂防ダムが建設されたたため、住宅は再建できず住民は戻りたくても戻れない状況となりました」

小河内地区に残ったのは2世帯だけ。地域の担い手が減ったことで集落としての機能が維持できなくなり、住民でつくる自治会を4年前に解散しました。

小川信博さん73歳です。豪雨の後にできた砂防ダムの近くの自宅で暮らしています。小川さんは以前生まれ育った集落から人がいなくなり元の生活に戻れないつらさを語っていました。

あれから4年。小川さんは広報誌などを近くの住民に届けていました。

小川さんは現在隣の地区の自治会に所属していて、2026年4月から会長を務めています。小川さんが訪れたのは地域のコミュニティセンター。ここは被災の1年後に閉校した松末小学校を改装した建物です。

2018年3月 144年の歴史に幕を閉じる閉校の日、住民たちは夜空にランタンを飛ばしたくさんの思い出が残る母校、そして豪雨で失われた命に思いを寄せました。校舎は去年地域活動の拠点に生まれ変わり新たな役割を担っています。

地域とのつながりを絶やさず小川さんの暮らしは新たな形で動き出していました。

一方、自宅のある小河内地区では農地の復旧が進んでいません。田んぼには流れ込んだ石が残り今年も田植えはできていません。

徐々に復旧が進む朝倉市。しかし、河川沿いで被災した農地の復旧は6割ほどしか完了していません。

小川さん
「一番変わったのは人口が半分になったことやね」

被災から9年。復旧が進む中、地域をどのように守り次の世代につなぐのか。被災地では今も模索が続いています。

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