【熊本地震】交通インフラ寸断で観光業に打撃 温泉宿キャンセル1800人

2026/08/13 (木) 16:30[2026/08/13 (木) 17:42 更新]

熊本県は、宿泊施設のキャンセル額を発表しました。地震が発生した8月28日から8月6日までの暫定値で20億6000万円に上っています。観光業にとって書き入れ時の夏休みシーズンに、深刻な影響が出ています。

最大震度7を観測した熊本県宇城市や氷川町。それより南にあり、鹿児島県と接する水俣市です。

「湯の児温泉」という海沿いの温泉街にあるこの宿は、致命的とも言える打撃を受けています。

湯の児温泉海と夕やけ・笹川社長
「約1800人、金額にして約4200万円のキャンセルが出ている状況です」

1年の中でもかき入れ時という8月の売り上げが、地震で丸ごと消えてしまったと言います。

湯の児温泉海と夕やけ・笹川社長
「こちらが、食事を提供するレストラン。食材の卸会社が八代市で被災してしまい、安定的な仕入れができない。夕食の提供をストップして、朝食のみ、もしくは素泊まりで客に来てもらっている」

八代市にある取引先が被災、料理に必要な食材が手に入らず、宿自慢の食事を客に提供できていません。

湯の児温泉海と夕やけ・笹川社長
「通常60種類ぐらいの料理を提供しているので、非常に今、食材が仕入れられないのが痛い」

晴れた日には、穏やかで雄大な八代海を望む海沿いのロケーションも売りではありますが。

湯の児温泉海と夕やけ・笹川社長
「近くにはほとんど飲食店がないですし、コンビニもここから5キロ先の所。山をひとつ越えないといけないような場所。素泊まりで来ていただくにも、(周辺を含めて)食事を提供できるものがなにもない」

そして、キャンセルの理由として最も多いのが。

湯の児温泉海と夕やけ・笹川社長
「交通インフラの寸断で、来づらい状況。非常に当館にとっては痛手になっている」

多くの客が、九州北部や本州から訪れます。例えば福岡県から水俣市に向かおうとする場合、現在九州新幹線は熊本駅まで、九州自動車道は八代市の松橋インターチェンジまでしか利用できません。一般道では慢性的な交通渋滞が発生し、移動には通常の倍以上の時間がかかるといいます。

博多方面からの利用者が消えた新水俣駅。すぐ近くにあるレンタカー店です。

レンタカー店の従業員
「(地震発生日の)7月28日からの予約キャンセルは全て合わせて150件。1カ月前には予約が(埋まり)取れない状態で断っていたが、地震があってからキャンセルの電話が鳴り止まずに、いつもだったらこの時期は、駐車場に(車は)1台も停まっていないガランとした状態。新幹線の駅がすぐそこなので、そこからの利用の客がほとんどだったので」

こうした大量キャンセルの余波は、周辺の観光スポットにも。

記者
「温泉街から近く、例年多くの宿泊客が利用するという海水浴場ですが、人の姿はほとんどありません」

海水浴場の監視員
「皆さん夏休みで、休暇で近くのホテルに泊りに来ている人もいたので、多い時間帯だと、200人を超えるぐらいこの海に人がいたが、震災があってからは人がすごく減った」

笹川さんの宿「海と夕やけ」実は 10年前の熊本地震や、6年前の豪雨でも建物が被害を受けました。今回の地震で再び壊れた箇所の修繕は、費用の問題もあり容易ではないと言います。

湯の児温泉海と夕やけ・笹川社長
「急に売り上げがここまで落ちてしまったので、企業存続のためには現金を確保しなくてはいけない。何らかの支援で、雇用維持や地域の活力を満たせるような施策があればと考えている」

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