死者数最多 工事現場の熱中症を防げ ガテン系対策グッズ 「人間冷蔵庫」も

2026/08/12 (水) 16:30

2025年までの5年間で熱中症で亡くなった業種別の人数の最多は建設業で52人。これは2番目に多い警備業の3倍近く。全業種の中で飛び抜けて多くなっています。

こうした現場で進む多様な熱中症対策を取材しました。

福岡市内の下水道管工事の現場では。

作業員
Q.汗すごいですね
「すごいですね。暑いですね。5倍、6倍とか汗かくんじゃないですかね」
「火気も使ったりするので、どうしても保護具着用なので暑いです」

炎天下で作業する工事現場は熱中症と隣り合わせ。

熱中症リスクを減らすため、厚生労働省は2025年に企業の熱中症対策を義務化しました。重症化や死亡のリスクを減らすことを目的に、冷房設備の設置や飲料の備え付けの他、熱中症患者を発見した時の対応マニュアルの掲示などを促しています。違反した事業主は6カ月以下の拘禁刑などが科される場合もあります。

こうした中、企業も熱中症対策を加速。2026年に帝国データバンクが全国の約1200の企業に実施した調査では、ここ2年以内に暑さ対策として始めたことや強化したことがあると答えた企業は全体の88%に上りました。

北九州市の道路工事の現場では、作業を終え休憩に入った作業員たちが次々に冷蔵庫からペットボトルを取り出し、何やら手にたたきつけています。

Q.今飲んでいるのは?
「これはアイススラリーといって、シャーベット状の飲み物になります。氷と水のちょうど中間の状態になっています」

アイススラリーとは細かい氷の粒が混ざったシャーベット状の飲み物です。

この現場ではペットボトル飲料を一晩入れておけばアイススラリーが出来る冷蔵庫を導入しています。

作業員
「完璧に凍らせていたら溶けるまで飲めない。これはシャーベット状なので、すぐ飲める」

岡本土木 桑宮洋宣さん
「汗を異常なほどかくので、既存のやり方だけではこの暑さに対応できませんので、いろいろな新しい取り組みをやって、少しでも働く人たちのためになればなと思っている」

ある民間の調査では、ファン付きの作業着と、作業員の体調を管理するウェアラブル端末の2025年の売り上げは、2024年に比べそれぞれ1.7倍になりました。

また別の調査では2024年に722億円だった熱中症予防製品全体の市場規模は2031年には1.3倍の928億円になると予想され、需要はさらに高まるとみられています。

そうした中、熱中症対策の事業を急拡大させているのが、主に工事現場で使う製品のレンタルや販売をしているグリーンクロスです。

取り扱う製品の中には目新しい物も。

記者
『こちらがまさに近未来の熱中症対策道具、その名も「人間冷蔵庫」です』

こちらの人間冷蔵庫「ど冷えもんBOX」。人が中に入ると5℃の冷風が吹き出し、体全体を冷やしてくれます。

記者
「今入って2分ほどなんですがもう汗が完全に引いてきてます」

急いで体を冷やす必要がある場合に使われています。

この企業はこうした熱中症対策グッズの取り扱いを急速に増やしています。

グリーンクロス 重谷大樹さん
「やっぱり近年の暑さが非常に問題になるぐらい高い温度になっているのと、熱中症対策が義務になっているので」
Q.何点取り扱っている?
「約1000点ほど取り扱っています」

拡大する商品の数とともにその需要も年々大きくなり、売り上げは近年上昇し続けています。

予防だけでなく、熱中症になってしまった場合の対策用品も。

グリーンクロス 重谷大樹さん
「エマージェンシープールという商品です。どれだけ対策しても(熱中症に)なってしまうことはあると思うので、なってしまった場合に救急車が来るまでの間に体を冷やせるような商品です。コンパクトに折り畳めるので収納場所には困らないかなと思います」

厳しい暑さが予想される中、命を守るための熱中症対策は進化しながら拡大を続けていきそうです。

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