熊本地震から1カ月 梨の出荷量は10分の1「希望の梨」で農家を支援 クラファンの八代

2026/08/28 (金) 17:00

熊本地震の発生から28日で1カ月。熊本県によりますと死者はこれまでに38人住宅の被害は4万棟を超えています。現在、およそ2500人が避難生活を送っています。課題になっているのは避難所や車中泊などの1次避難から仮設住宅などの2次避難への移行です。避難者支援団体の高木さんらは、主に車中泊をしている被災者の見回りとともに、2次避難に向けた相談を受け情報提供をしています。

minori 高木聡史代表理事
「今回猛暑の車中泊だったということで前回はエコノミークラス症候群、今回は熱中症 車中泊や軒先を選んだ理由を聞き、フォローができていけば、必ずしもそこにいなくてもいいのではないか」

宇城市の竹馬さん一家は、家が被災し中では住めない状態に。しかし長年過ごした家への愛着や盗難の心配などから、プレハブ小屋のほかテント泊、車中泊で軒先避難を続けています。

竹馬陽子さん
「考えとしてはお義父さんお義母さんにみなし住宅に行っていただいて、私たちがこっちに残るかな。でも見立ては立ちません全く」「まずは1日1日を今まで必死に生きてきた、ここまで1カ月間。ここからまた新たなステージ」

熊本県では仮の住まいとしてホテルなどの宿泊施設で避難者を受け入れていますが、申し込みがあったうち入居が成立したのは3割にとどまります。1次避難からの移行が急がれる中、それぞれの被災者の事情に合わせた支援が必要です。

minori 高木聡史代表理事
「生業が農業だとそこから離れられない。お子さんの校区を大切にしたいのだったらここから離れられない」「妥協点を見つけざるを得ない。だったら妥協点の中で最善のものが一緒に探せれば良いなと」

そうした中、仮設住宅の建設も急ピッチで進められています。八代市では市内5ヵ所、計138戸の仮設住宅の入居者の入居者の募集が28日始まりました。入居は10月上旬からで、市は応募者数に応じて今後増設することも検討しています。ただこの仮設住宅、市内すべての建設地が高潮や洪水時の浸水想定区域に指定されています。土地に限りがあり、災害リスクが全くないところを選ぶのは難しいということです。

一方、こちらは営業を再開した氷川町の道の駅。被害が小さかった建物や駐車場の一部を使い、地元の農家から受け入れた梨やぶどうなどを販売しています。道の駅竜北館長・大川聡志郎さん。

道の駅竜北 大川聡志郎館長
「195名の出荷者をかかえる道の駅。今出せているのは60名。残り3分の2はスペース的な問題で出せていない現状があります」

規模を縮小しているためすべての農家からは農産物を受け入れられません。そんな中、この日も多くの人が買い求め午後3時には売り切れる農産物も。

買い物客
「シャインマスカットを買いました。おいしくいだきます。生産者のいろんな思いがこもっているでしょうから」

農家にとって道の駅は大切な出荷先の一つです。

梨を持ってきた女性氷川町の農家
「ここが一番ありがたい。近いし客も来てくれるし。生産者にとっても買い物する人にとっても皆さんが助かったと思う」

農業には大きな被害が出ています。氷川町で梨を栽培している木野さんの農園では地震で8割の梨が落下しました。氷川町の梨農家・木野義久さん・

梨農家 木野義久さん
「だいたい10万個くらいなっているうちの8万個ぐらいが落ちた。まさか地震で落ちるとは思わなかったのでびっくりした」

吉野果実選果場今月15日に操業を再開した選果場でも例年100万玉ほどある梨の出荷量が今年は10分の1に落ち込む見込みです。JA八代 吉野梨部会坂本俊介部会長

JA八代 吉野梨部会 坂本俊介部会長
「(高齢な生産者は)もうあと何年続けられるか分からない状態で今年の収入減はつらい。いまのところではまだ方向性が見えないと思う」

こうした中、農家を支援する動きも始まっていました。被害を免れた梨をインターネットで5倍の価格で販売し農家を応援する「希望の梨プロジェクト」です。梨の売り上げの一部を被災した農家への義援金に充てます。

発起人
「梨が落ちてしまったというSNSの投稿を見て何か自分にできることはないかなといろいろ考えてここにいたった」

すでに全国からおよそ1500件の注文が寄せられているということです。

クラウドファンディングで支援を呼び掛ける取り組みも始まっています。日本製紙八代工場。5本の煙突のうち3本が倒壊、従業員など9人が死亡するなど甚大な被害を受け稼働停止に追い込まれました。1924年創業の日本製紙八代工場は工場と協力会社300社の従業員あわせて6000人の雇用を生み出し、生産額は八代市全体の18%に上ります。その再開を後押しするため、クラウドファンディングを始めたのは八代市でした。

八代市 小野泰輔市長
「日本製紙の工場がもしなくなるということになれば八代の経済にも非常に大きな影響があるということで、なんとか工場を立て直していただきたいというような思いをですね、市民みんなで、そして応援してくださる方々で、クラウドファンディングという形でですね、その気持ちをお示ししようと」

クラウドファンディングの目標額は2億円です。八代市はこの10年で2回の大地震に加え、2回の浸水被害にも見舞われていて小野市長は息の長い支援を呼び掛けています。

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