人身事故全国ワーストの過去も 福岡県筑紫野市「針摺交差点」はなぜ危険なのか

2026/07/22 (水) 16:30

福岡県内で人身事故が多い交差点を示した表を見ると、福岡市中央区の渡辺通や、那の津口など、都心部の交差点が並ぶ中3番目に多いのが筑紫野市の針摺(はりすり)交差点です。実は人身事故の発生件数が全国ワーストを記録したこともある危険な交差点です。

現地を取材すると、事故多発の要因が次々に見えてきました。

福岡市中央区を走る車のドライブレコーダーの映像。左折するために減速した車の横を自転車が強引に通過。危うく巻き込むところでした。さらに、中央区の別の交差点付近では。右折専用レーンを進もうとした車の前に突如、車線を変更をしたバイクが現れ接触しました。

福岡県内では2025年、1万7000件余りの交通事故が発生し、85人が亡くなりました。そして、発生場所は交差点と交差点付近が半数以上を占めています。

毎年多くの事故が発生し注意が必要な交差点があります。

記者
「筑紫野市の針摺交差点です。この場所、過去には全国で最も交通事故が多くなった交差点なんです」

国道3号と、県道の福岡日田線、福岡筑紫野線などが交差し、付近には大型の商業施設があります。国土交通省が「慢性的に渋滞が起きる」とする交通量の基準を2倍以上、上回っておりデータ上も事故が起きやすい交差点なのです。

筑紫野市在住
「夫はここの交差点が怖いので、ゆめタウン筑紫野に来る時は、いつも裏から回っていると言っていました。ここの横断歩道は夫は絶対に通りません」

日本損害保険協会によりますと、2020年には、22件の人身事故が発生。全国ワーストを記録しました。地元では「魔の交差点」との声も。

街の人
「日本一事故が多い交差点。有名です」

記者
「交差点を通ってヒヤッとしたことはありますか?」

街の人
「多々あります。誰もが(危険と)思います」

なぜ事故が多発するのか、道路や交通の事情に詳しい福岡大学の辰巳教授は。

福岡大学・辰巳浩教授
「右折レーンが3車線あります。直進車の合間を縫って右折する、なおかつ2台あるいは3台が並走するので、その時に事故が起きやすいということが言えます」

事故が多発する要因の一つは道路の形状にあります。航空写真で見ると、5つの道が交わっています。朝倉市方面から交差点へと向かう道路は片側5車線で、このうち、
右折レーンが3車線もあるドライバー泣かせの複雑な形状です。右折レーンは色わけするなど、進行方向を示す対策は取られていますが。

「自分は本当は直進したいと思っていても、気が付いたら右折レーンに入っていることが、半分は右折レーンですからあります。慌てて車線変更して、『後ろから車が来ていて、ぶつかる』『急ブレーキをかけて、後ろの車が追突する』ことが起きやすい状況です」

針摺交差点の過去のデータでは、「右折する車」と「直進する車や自転車」がぶつかる人身事故が、全体の半数以上を占めていました。その原因の一つが。

「橋脚があるので、対向車や直進車が見にくいです。見える範囲がかなり狭められています」

交差点右折時の運転者目線の映像です。高架の下にあるので橋脚が視野を狭め対向車が見えづらくなっていることが分かります。夕方の帰宅ラッシュの時間帯は特に交通量が多く、対向車線が右折待ちで渋滞することで直進してくる車がますます見えづらくなります。

辰巳教授は、右折と直進の信号を分ける分離信号の導入が、事故防止に効果的と話しますが。

「これをやると結局、信号制御としては効率が悪くなります。特に右折車の渋滞が延びるので、交差点の(交通)処理を考えると、現状では難しいです」

複雑で交通量が多い針摺交差点。事故を防ぐには車の運転手だけでなく通行する全ての人が「危険性」を認識する必要がありそうです。

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